P3HT:PCBM系有機太陽電池における磁場効果
背景: スピンと電荷再結合の関係
有機太陽電池では励起子から分離した電子と正孔(ポーラロン対)が再び出会う際、スピン配置によって再結合確率が大きく異なります。スピンが平行(三重項状態)の電子・正孔対はパウリの排他原理により直接再結合しにくく、一方で反平行(一重項状態)の対は再結合しやすい傾向があります。このスピン選択的な再結合挙動は、磁場によるスピン状態の変化(スピン混成)で制御可能であり、結果として光電流(光キャリア生成効率)が変化することが知られています。特に外部磁場(数ミリテスラから数百ミリテスラ)は、電子と正孔のラジカルペア(一重項対と三重項対)のスピン準位間の遷移確率に影響を与え、再結合や電荷分離の経路を変化させます。この現象は一般に「有機系における磁場効果 (magnetic field e…


