CNT/C60界面とTEMPOLで磁場効果が現れる理由
はじめに
半導体性単層カーボンナノチューブ(s-SWCNT)とC60を接触させると、光を吸収した後にCNTからC60へ電子が移動しやすくなります。その結果、CNT側には正電荷、C60側には電子、つまりC60-が生じます。このような状態を電荷移動状態、またはcharge-transfer state(CT状態)と呼びます。
ここで重要なのは、電子やホールは電荷だけでなくスピンも持つという点です。スピンの組み合わせによって、電荷がすぐ再結合して消える経路と、外部の分子へ電子移動して反応に使われる経路の入りやすさが変わります。したがって、磁場でスピン状態の混ざり方が変わると、光触媒反応や光電流が変わる可能性があります。
本稿では、CNT/C60界面を利用した光酸化還元反応において、TEMPOLへの電子移動反応が磁場によって加速するのでは?という実験についての作業仮説を整理します。


